大手コンサルで働いているのに、安い給料
大手コンサルの子会社の社員でプログラム開発を専門としている転職希望者の話です。
―――日本有数のコンサル会社の従業員がなぜ当社に?
そんな疑問を抱きました。
現職の給与額を聞いたところ、2次、3次請けの会社のプログラマーより、ちょっと良いぐらい。
その理由は、仕事の「範囲」にあると思います。
当社のIT技術者ならば、要件分析・要件定義・基本設計・詳細設計・プログラミング・テスト・リリースと
上から下まで全部こなさなければなりません。
それが、開発者としての矜持です。
しかし大手だと、技術者の受け持つ仕事は、コンサルはコンサル、設計は設計・・・と細分化されます。
その都度、利幅を抜かれるわけですから、結果的にプログラミングを担当する技術者の給与は、
他の小さなIT会社の給与と代わり映えがしないという事になります。
よく、ITを希望する初心者で「大手しか興味が無い」と決めている人がいます。
「寄らば大樹の陰」と言うように、大手は先々のことが安心出来るという気持ちがあるのでしょう。
そんなことはないのです。
大切なのは、自分がどういう立場でどういう仕事をすることになるのか、です。
私の出会った技術者の例をお話しします。
例①
ある大手IT派遣会社は、毎年大卒で新卒者1000名採用しますが、翌年には半数退職します。
その会社で退職者の多く出る職種には共通点があります。
必要な技術や経験が低く設定されている職種です。
それらの職種は給与が安く、ステージUPもありません。
仮に大量の退職者がいても、来年新卒でまた1000名採用して、短期で育成すればよいという考えがあるのです。
結局、新卒での退職者の多さを補うために中途採用の枠も増えてくるのです。
例②
私の親族で、優秀な学歴を持ち、大手ITベンダーに就職した人がいます。
彼は地元の支社で保守・運用を担当していましたが、キャリアアップに苦戦。
努力して入社した大手ITベンダーなのに、思い描いていた生活とは異なる、生活苦で大変だ、とぼやいていました。
例③
当社に入社した、IT技術者。
九州の国立大卒で大手電機メーカーに就職しました。
しかし担当になった仕事は、VBで来る日も来る日も限られた業務のみ・・・。
自分の力を発揮できない業務に嫌気がさして当社に入社しました。
現在は電力会社の案件で、要件定義から開発全てを担当してやりがいを感じているそうです。